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大野 英雄; 五十嵐 一男*; 高木 喜樹*; 虎渓 久良*; 古川 和男; 持永 純一*
日本金属学会誌, 47(2), p.132 - 141, 1983/00
PbO-SiO系は高濃度PbO(約90wt.%)組成までガラス状態が安定に存在する興味ある物質である。本稿では同一ロットから作成した試料を用い、ガラス状態および溶融状態のX線解析を行い、両者における構造の差異およびPbO量の変化に伴うガラス構造の変化について考察した。ガラス構造においては、Pb-O結合はPbO濃度の高い領域では共有性が強いが、SiO濃度を増加するにつれイオン性が増加する。溶融状態においてはPb-O共有結合による三次元的に拡がった綱目構造はかなり切断され、Pb原子はPbイオンとなり自由に動きやすくなる確率がガラス状態よりも増加すると考えられる。これらの結果はPbO-BO系の結果と一致している。
森川 日出貴*; 高木 喜樹*; 大野 英雄
Journal of Non-Crystalline Solids, 53, p.173 - 182, 1982/00
被引用回数:54 パーセンタイル:92.76(Materials Science, Ceramics)PbO-SiO系ガラスは線遮蔽用として原子力分野においても有用なものであるが、学問的にもPbO濃度が90wt%近くまでガラス状態が存在する特異な系である。本研究では2PbO・SiOガラスの構造をX線解析法で求め、ガラス状態における鉛原子の分布について考察した。ほとんどの鉛原子は共有性結合の強いピラミッド状PbOの型で存在しているが、このピラミッド状PbOが作るジグザグした鎖状配列間をSiO,SiO,SiOあるいはイオン性PbO八面体がつなぎ、結晶のような規則性や対称性をもたない無規則に3次元的に連続して配列した網目構造を持っていると考えられる。得られた結果は、すでに発表されているラマン分光法あるいはNMR法の結果と矛盾しない。